真マッハ突きの衝撃に耐えられず、骨がムキ出しになってしまった克巳の右腕。
倒れたピクルを前に勝利を宣言した克巳であったが・・・
せいいッ
末堂の掛け声により湧き上がる場内。
門下生たちは歓喜に満ち溢れ、正拳突きを繰り返していた。
・・・そんな中、克巳は気付いていた。
みんな・・・オドろくな・・・
この雄は倒されているのではない
勝手に眠っているだけ・・・ッッッ
克巳が最後にたどりついたマッハの最終形態 『当てない打撃』 もピクルには通用しなかったのである。会場で観戦していたペインもまた、それに気付いていた。
ピクルは休憩(やす)んでるだけ。
勝ち負けはもう決まっている。
この戦いの決着は既に着いているというペイン。
確かに、克巳の深刻なダメージは誰の目にも明らかであり、他の手足も使用不能ときている。
止血を施しているとはいえ、このままでは息絶えてしまうだろう。
ペインは克巳VSピクルの戦いを大自然の中で行われたものと仮定し語りまじめる。
『 もうミスター克己に攻撃を加える必要はない 』
『 野生は決して無駄をしない 』
要するに、ピクルは克巳が息絶えるのを寝て待っている言うのだ・・・。
眠っている間に逃げられようとも、出血による痕跡を辿ればいい。
眠っていても勝手に息絶えるだろう。
これがピクルの判断であり、彼にとって最も理にかなった考え方なのだ。
ピクルの中で、もう決着はついているのだ・・・。
一方、克巳は眠りについたピクルを眺めていた。
眠っているはずのピクルのまぶたから、涙が滴り落ちているのがわかった。
ピクルが涙する理由・・・
克巳は光成の言葉を思い出していた。
ピクルは襲い来る強敵を好み食す。
食す時に発生する 『 別れ 』 を惜しみ涙するのだと・・・
ピクルは克巳を強敵だと認めているのだ。
克巳はゆっくりとまぶたを閉じ、俯きながら心の中でささやいた。
『 ありがたい・・・ 』
そして、頃合いと言わんばかりにピクルがゆっくりと立ち上がりはじめる。
その目には涙が溢れていた。
会場を仕切る末堂もまた異変に気付き、門下生の正拳突きを静止させていた。
『 館長・・・逃げろ・・・ 』 と末堂。
しかし、克巳は逃げない。
立ちはだかるピクルを前に、克巳は堂々としていた。
克巳の覚悟は偽者ではなかった。
『 ピクルよ 』
『 持ってけ・・・ 』
『 この命ごと 』
そして・・・
克巳の横を一筋の光が走った。
ピクルは、まるで子供のように泣きながら克巳の右腕を食した。
最後に克巳はこう言った。
『 俺は美味いかい・・・ 』
今週の範馬刃牙 第132話 『勝利の咆哮』 感想
今週の範馬刃牙 第131話 『感謝』 感想
克巳が最後に辿りついた、真マッハ突きの完成型 『当てない打撃』 による衝撃波。
それにより、克巳はまたしてもピクルからダウンを奪った・・・。
ざわめく場内。
末堂はじめ、多くの門下生が克巳の右腕に注目していた。
骨 ムキ出しだ・・・・・
そう、克巳はピクルのダウンと引き換えに右腕一本を犠牲にしたのだった。
見るも無残な変貌を遂げた自分の右腕を眺める克巳に驚いた様子はない。
当たり前だ、骨が鞭なわきゃね・・・
魔法が解けた・・・
我の血を顔面に浴びながら克巳はそう言った。
右上腕に帯を締め、止血を済ませたあと、克巳はピクルに目を向けた。
遠くで倒れたままのピクル。
その様子を見た克巳は、ピクルのもとにゆっくりと歩き出した。
もう魔法は解けてもいい。
夢から覚めていい。
もう出すものはない。
克巳は心の中でそう思った。
そして・・・
克巳はムキ出しになった右腕を高らか上げた。
立っているのは・・・ 俺だ
今日一番の歓喜に会場が包まれる。
刃牙、烈海王、郭海皇、末堂も驚きの表情を隠せない。
『 武を50年は進歩させおったわ 』 と郭海皇。
『 すっげぇ・・・ 』 と嫉妬交じりに刃牙。
『 あり余る才能に・・・ 愚地克巳が追いついたのォォ・・・・ッ 』 と光成。
凄まじい高評価。
克巳の大金星である。
その時、克巳は目を細め、会場に向けて深々と頭を下げ始めた。
頭を下げずにいられなかった。
感謝せずにいられなかった。
『 せいぃッ 』
末堂の掛け声とともに、会場いる門下生が一つになった。
克巳が会場入りしたときのあれだ。
深々と頭を下げ、感謝を示す克巳の体に、ビリビリとそれは伝わっていた。
その時だった・・・。
ズシャ
克巳の耳にもかすかに届いた。
ゆっくりと頭を上げ、ピクルに目をやった。
ごろり・・・
ピクルは倒されているのではなかった。
ここでもまた、ピクルは滑稽なほどの底知れぬ野生ぶりを見せつけた。
克巳は愕然とする。
ただ・・眠っているだけ・・・・
【管理人の感想】
まず、眠ってしまった意味がわかりません。
というか、意味があるのでしょうか・・・orz
こりゃ、困った展開です。
ピクルがいよいよフリーザ化します。
あれを食らってダメージなしでは、いよいよ誰もピクルには勝てません。
こじつけでもいいから、眠ってしまった理由がダメージによるものであってほしい。
今週の範馬刃牙 第130話 『成りし時』 感想
愚地克巳VSピクル編もいよいよクライマックス。
ピクルは四つん這いになり、獲物(エサ)である克巳に猛烈な勢いで突っ込んできた・・・。
烈海王をも打ち砕いたタックル。
終わらせる気だ。
跪いていた克巳はゆっくり立ち上がり、魂のマッハ突きで立ち向かう。
『俺だけが掴んだ、俺だけのマッハ』で立ち向かう。
克巳はこれまでの格闘人生において、当てる打撃の事ばかり考えていた。
いかに速く当てるか・・・いかに強く当てるか・・・
当てた打撃をより効かせるため筋肉をつけ、脱力をおぼえ、更にはイメージで骨を鞭にまで変えた。
これら全ては、相手にダメージを与えるための手段。
打撃を『当てる』ことは、ダメージを与えるための常識であり、大前提だった。
しかし、克巳のマッハは違った。
克巳が最後にたどりついたマッハの最終形態。
当てない打撃ッッ。
克巳のマッハはピクルの腹部をとらえた。
会場にまで飛び散る血・・・
ピクルの巨体が宙に浮き、吹っ飛ぶ。
克巳は、またしてもピクルからダウンを奪った。
克巳のマッハ突きはピクルの腹部に当たっていない。
腹部の手前でマッハを振り戻したのだ。
振り戻すことで発生する衝撃波。
これが克巳が辿りついた最後のマッハ突き。
当てるという大前提を手放したさらなるマッハ突き。
克巳はピクルからダウンを奪い、返り血を浴びていた・・・。
しかし、その血はピクルのものではなかった・・・。
魂のマッハに人体は耐えられなかった。
2度目のダウンと引き換えに、克巳の右腕は見るも無残な姿に変貌した。
[管理人の感想]
最後のページ、凄いことになっていましたね。
ここ最近で最も 『エグイ』 光景でした。
ま、でも、人体の能力のみで音速を超える動作をしたなら、あのような結果になるのは当然なのかもしれません。戦闘機のような鉄の塊でさえも破壊される事があるのですから。
何にしても、いよいよ克巳のネタがなくなりました。
最後のマッハ突きで、ピクルにどれほどのダメージを与えているのか。
克巳の負けは決まっているでしょうが、尻つぼみな結末だけは避けてほしいところ。
克巳を食うにしても、せめて、ダメージを負っているピクルを表現してほしい。
今週の範馬刃牙 第129話 『体重差』 感想
真マッハ突きにより、ようやく手に入れた絶対的な有利。
ピクルからダウンも奪った。
しかし、克巳は両手と左足を負傷。そして遂に跪いた・・・。
一方ピクル。
ピクルは回復しつつあった。
満身創痍の克巳を前に、不敵な笑みを浮かべ、いよいよ戦闘体勢に入る。
ざわめく場内。
『 効いていないのか・・・? 』
『 立ってくる・・・ッッ 』
『 まともに喰らって・・・』
息を荒げ、跪く克巳の目の前でピクルはゆっくりと立ち上がる。
打ち込んだ克巳が跪き、打ち込まれたピクルが立ち上がる。
なんという理不尽・・・
あまりにも理不尽な光景だった。
その時、またしてもペイン氏が語り始める。
ジュラ紀、ピクルのライバルだった原始生物たち。
スーパーサウルス然り、T-レックス然り、彼らの体重は推定でも数十トン。
現代格闘技に置き換えた場合、彼らを何級と呼ぶのか。
克巳の何倍になるのか。
体重差をまるで分かっていない。
最強のライバル、T-レックスにおいては、刀剣のような牙を持ち、巨大な尻尾を持ち、強力な後ろ脚を持つ。
そんな彼が繰り出す攻撃が、体重100キロの克巳の攻撃を下回るわけがない。
何度も言うが、ピクルはT-レックスのライバルだったのだ。
これが、真マッハ突きにも耐えるピクルの秘密・・・。
そんな話をよそに、ピクルは四つん這いになっていた。
やる気だ。
烈海王を仕留めたあれ。
獲物を捕らえる四足歩行ッ!!
会場の誰もが苦渋の表情を隠せない中、
克巳がゆっくりと立ち上がる。
『 心配するな・・・ッッ 』
『 俺はまだ使用(つか)っちゃいない! 』
『 俺だけが掴んだ、俺だけのマッハッ 』
そして遂に、ピクルの突撃(タックル)が放たれた!!
烈海王をも仕留めた突撃(タックル)に、傷だらけの克巳が俺だけのマッハで対向する。
決着はいかに!?
[管理人の感想]
克巳とT-レックスの体重差を普通に考えたら、ペイン氏の言うとおりでしょう。
ただ、真マッハ突き(マッハを越えた攻撃)の破壊力がいまいち把握できないため、正直比較が難しいです。
拳が壊れる程度の破壊力なら、T-レックスの攻撃が圧倒的に強いでしょうね。
肉体のほとんどが吹き飛んでしまう程の攻撃ができなければ、とてもT-レックスには適わない。
それができても、五分と言えるのかどうか・・・
つまり、ピクルと互角に渡り合うためには、克巳は死ぬしかないという結論に至ります・・・orz
(あくまでも個人的な意見ですがw)
何にしても、ピクルVS克巳の闘いもいよいよ大詰めですね。
克巳の生き様を静かに見守りたいと思います。
今週の範馬刃牙 第128話 『空気の壁』 感想
愚地克巳の真マッハ突きは、先人の格闘家が練り上げ積み上げてきた知恵と術理を飛躍させるものだった。想像(イメージ)により加速する回し蹴り、同様のメカニズムにより放たれる手刀は音速(マッハ)を越える。
※画像の出典:『SON OF OGRE 範馬刃牙』 著者:板垣恵介 (秋田書店)
その破壊力は原始の力にも確実なダメージを与えるもので、遂にピクルからダウンを奪った。
ピクルのダウンに会場の興奮もピークに達する。
『 バキよ、これはひょっとして・・・』
『 克巳の勝ち!!? 』
しかし、問題は真マッハ突きを放った愚地克巳の体・・・
両手と左足が無惨にも破壊され、さすがの愚地克巳も苦痛の表情を浮かべる。
究極まで鍛え上げられた愚地克巳の拳をもってしても破壊されるのだ。
『 鋼鉄で出来とるんかいッッ 』
『 ピクルの肉体はッッ 』
驚く様子の徳川光成にペイン氏が静かに語りはじめる。
真マッハ突きにより愚地克巳にかかった負担について、ペイン氏は航空機を例に上げた。
航空機が1225kmを越えるその瞬間、音速の壁を越えるソニックブームと呼ばれる現象によって発生する負担は、金属製の物体でさえも破壊する例が数多くあるという。
真マッハ突きを放った瞬間、それと同様の凄まじい負担が愚地克巳の拳に課せられたのだ。
肉体の問題ではなく、音の壁による問題。
ようやく手に入れた絶対的な有利を前に、愚地克巳もまた跪いた。
一方ピクル・・・
格闘家の命ともいえる拳を犠牲にした愚地克巳の真マッハ突きを喰らったピクル。
人生初のダウンを奪われたピクル。
しかし・・・ピクルのダメージはすでに回復しつつあった。
そして。
烈海王を仕留めた時と同様の体勢でピクルは笑みを浮かべはじめる。
再びディナータイムがはじまってしまうのか!?
[管理人の感想]
いよいよ克巳が食われる流れになってきました。
今週の範馬刃牙を見る限り、「真マッハ突きもピクルには通用しなかった」 と判断せざるを得ません。なんたってピクル笑ってますから・・・w
しかし、克巳はまだ右足を残しています。
このまま、すんなり食われることはないと思われます。(そう信じたい。)
それから、真マッハ突きの威力を忘れてはいけません。
回復しているように見えても、ピクル本来の力は発揮できないはずです。
個人的には、ここからまた、二転三転するような気がしています・・・
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